NaYのブログ

怪文書の倉庫

閃の軌跡4キャラ語り

 

 流石に全員は書いてないけど、後から追加するかも。

 

リィン

 前回の結末を受けて、復帰まで時間かかったけど、その分復帰戦は燃える部分があった。

ただ、リィンが7組の面々に呼びかけられて、自我を取り戻す下りは、各キャラがそれぞれ一言言って終わり、みたいな感じであまり各キャラの個性が見えないのが、ややがっかりポイント。戦闘前の新7組が呼びかけるシーンが良かっただけにね。やはり覚醒シーンという点では、2のパンタグリュエル脱出は超えられなかった感はある。やっぱりこういう場面では、いっぱいキャラ出すより、多くても新7組くらいの人数に絞った方が場面としては際立ったと思う。この辺も、絆イベントによるヒロイン選択式の弊害かなあ、と邪推してみる

 3作連続で報われない結末を迎え、最後はハッピーエンドを迎えてほしい、と願いつつ、これで最後も報われない結末だったらある意味レジェンドだよなあ、と思っていたら、まさかの両方やってくれたのは普通に一本取られた。

 ノーマルエンドの何が一番好きって、リィンと性格から考えれば、クロウミリアムが道連れになるのに反対しそうなのに、「それもそうだな」の一言であっさり流すところ。相克を共に勝ち抜いた仲として、言葉にしなくても通じ合っている様を示しているところだった。

 その上で、トゥルーエンドで、圧倒的大団円の中で、ようやく笑顔のまま終わる、というのは、本当に「このゲームをやっていてよかった」強く思った箇所だった。

 無刃剣は今までのクラフト全部のせでシンプルにかっこよかったので、毎回スキップせずに見ていた。

 

ユウナ

 序盤で7組の中で率先して動いたりして、序盤の主人公的ポジションだった。

 年頃の女の子らしさと主人公的なかっこよさをどちらも高いレベルで両立してるのが魅力的。細かいところだと、要塞でセドリックがアルティナに暴言履いた時に、アルティナの肩にそっと手を添える気遣いも。

今まで余裕ぶったキャラだったカンパネルラとのレスバトルで優勢だったのが面白い。ラスダンで幻焔計画や結社の内部について問い詰めた所は、プレイしてるこっちも忘れていたので、「それな!」となった。

その辺も含めてカンパネルラやマリアベルなど結社の中枢メンバーと因縁を作ったのは面白い。

 クルトと仲良くなると思っていたら、リィンとの恋愛方面に行ったのは残念。ただ、イベント自体は、ユウナらしさを前面に押し出しつつ、リィンに惚れる理由も納得いくものだった。それだけに、沢山いる恋愛ヒロインの一人になったのは残念。あの教え子と教官だからこその容赦無く女性関係をいじったりする距離感好きだったんだけどなあ。

 性能的には、加速クラフトに加えて、フレアネスハートでBPを増やしつつもそこそこ物理で殴れるようになり、敵が複数出てくる今作ではCPにも困らなかったので、非常に便利だった。スレハンが弱体化されたのは、やむなし。

 

クルト

 個人的に好きなキャラで、序盤のアッシュへの熱い語りとかは、おおってなったけど、その次の見せ場がラスダンのセドリックまで飛んで、メインではイマイチ存在感を示せなかった感じ。マテウス父さんが帝国屈指の剣士という、触れ込みなのに、出番はおろか、セリフすらないのが。ヴァンダール家全体もう少し何とかならなかった感がある。

 彼自身のセリフは「これが僕の一歩先です!」「これが彼女の手に入れたものだろう…!」「君が本当につけるべき落とし前はなんだ!」「あの時の彼女たちはあの場の誰よりも人間らしかった」など、閃の軌跡屈指の(個人的)名言揃いなんだけどなあ。

 一番の見せ場であるセドリックとの対決は、クルトらしいまっすぐな言葉で、セドリックと向き合っていた。ただ、セドリックの顛末がああなった以上、彼の今後が心配。武者修行でもしながら、セドリックを追いかけるのだろうか。ただオリビエミュラーの関係とは別の路線で「好敵手」として互いに認め合ったのは、彼らなりの在り方を模索した結果としてよかった。

 

アルティナ

 前回ほどではないけど、最初から最後までパーティーにいるキャラとして、ミリアム、リィン、黒の工房関連で、スポットが当たっていたイメージ。バラッド侯の所へ潜入するところやアルカンシェルで歌ってくれたのは、3の回収という意味でもよかった。

 特に、セドリック戦の「高みを目指してたどり着けた人ほど他人に示せる思いやりや優しさ、あなたにはない」「ゆがんだだけの人とは戦いたくない」と言ったセリフは、彼女の精神の成長を示せていてよかった。このセリフ自体、軌跡シリーズだからこそ描ける部分だよなあ。

 思えばアルティナ関連は2の序盤でエリゼたちをさらったところから考えると、すごく深いところまで掘り下げてきた。

 

アッシュ

 ハーメルでの説得、対西風の復帰戦での「ここで誘いに乗ったら男じゃねえ」的な発言は個人的に今作でも指折りのお気に入りである一方、アッシュ自身のメインにおける見せ場がそれ以降あまりないのは、好きなキャラだけにやや残念。呪い、ひいてはイシュメルガに落とし前をつけるという意味でも、ラストもう少し何か見せ場があっても良かった気はする。一応ラスダンでレクターとは因縁があったけど、レクターの扱いがアレだし…。

 絆イベやったけど、彼をハーメルからラクウェルに連れてきたおっさんがまさかミゲルだったとは。彼とのけじめのつけ方も良かった。

 

ミュゼ

 割と最初の方で仲間になったのはびっくりしたけど、本当は犠牲前提の作戦に嫌気がさしていて、頭が良くても精神は16歳の女の子、というをユウナに看破されて仲間入りする、という流れはよかった。あそこであっさり仲間になるのが逆に彼女の精神性の描写になっていた。

 肝心の策自体は、世界を巻き込んだ帝国包囲網、と思わせぶりにしていた割にシンプルだったけど、実際にすごいのは、黄昏の影響で爆速で戦時体制を整える帝国軍に対抗できるくらい千の陽炎作戦を、前々から根回ししていたことだし、その辺は面目躍如といったところかな。「陽炎」と「大地の竜」って、焔と大地で対になっていたと、最近気付いた。オッサレー

 絆イベは、本編に続き、作戦の行方次第では、自決も考えているなど、精神面での弱さが描かれていて、それを止めようと教官としてガンガン圧をかけるリィンが面白い。

 

アリサ

 相変わらず家族に振り回されていたけど、ガルガンチュアに乗り込んだところで、アルベリヒが所詮は「魂まで隷属されている存在」と看破したところはよかった。

 ラインフォルト関連でスポットが当たる機会が多くて、敵方にシャロンアルベリヒと家族がいた割に、ヒロインっぽさはあんまりなかった。キャラは好きだし、1の頃から絆イベは完走してるだけに残念。至宝の一族の末裔、という強設定を持っているし、家族周りをもっとちゃんと丁寧に消化していればなあ、と。

 ただ、今回のEDの分岐は「アリサの呼びかけがアルベリヒ–フランツに届くかどうか」なので、ある意味誰よりも大きい役割を果たしたのかもしれない。

絆は、珍しくアリサの方が引き気味で、リィンがグイグイ言い寄るのが新鮮で面白かった。

戦闘面では、ついにヘブンズギフトが自分にかかるようになり、ロゼッタアローがかなり強化されたことで、かなり使いやすくなった。オーバルギアはあんまり使わなかったな…。

 

エリオット

 バラッド侯のもとへの潜入作戦・クレイグ達第四機甲師団との対峙で、結構スポットが当たっていた。音楽、という切り口から帝国への現状に立ち向かう様子が具体的に描かれていてよかった。

サブイベで馬にかかった呪いを解呪したり、リィン並みに気配察知したり、音楽家なのに常識人とは言えない領域に達しつつある気がする。

前日譚の「誰も選ばない」ルートで、さらっとリィンマキアスを裏切ってミントとよろしくやっていたのは笑った。

 

ラウラ

 一応親父越えを果たしたことになったのかな?デュバリィとの共闘イベントは分校生との立会い以外にも欲しかった。

 何の気なしに1個目の絆イベを選んでみたら、リィンと互いの内面にかなり踏み込んだ上で、不意打ちでキスまでしてきたり、びっくりした。確かにリィンが死に場所を探しているっていうのは、しっくりくる部分があるし、それを踏まえるとノーマルエンドの受け取り方も変わってきそう。ある意味武人としてのリィンの本質を一番見抜いているのは、1の頃から彼女なのかもしれない。

 

マキアス

 久しぶりにメインでスポットが当たった男。レーグニッツ知事が今まで空気過ぎたから仕方なかったけど、今作では、父を通じて政府の法的な正当性を問いただす場面があってよかった。

絆イベントは必見レベルで、姉を追い込んだ婚約者のその後をああいう形で描いていたのは、キャラ補完としても素晴らしかった。

あと、ドレッドブレイカーがやたら強くて、戦闘では加速も相まって、結構活躍してくれた。

 

フィー

1の頃から描かれてきた西風の旅団との決着がきちんと描かれていて良かった。

自身に居場所と名前をくれた「父親」のルトガーに感謝するフィーと、自身を人の親にしてくれた「娘」のフィーに感謝するルトガーが、親子として別れを告げる場面は、今までのフィーの段階を踏んだ成長を見てきただけあって、感動的した。

遊撃士という職業柄、今後も出番は作りやすそう。

 

ユーシス

ミリアム関連とルーファス関連で無茶苦茶振り回されたけど、どちらも綺麗に決着がついてよかった。大体の場面で「兄上!」「ミリアム!」のどっちかを叫んでたきがする。

ルーファス関連は、人間やめる宣言に対しての「この大バカ野郎が!」と、戦闘後に敗因を指摘した上で、うなだれるルーファスを一発ぶんなぐるのが1の頃からの関係の決着としてよかった。今後の家族会議で様々な修羅場が予想される。

戦闘ではオーダーがコスパよかったけど、自分中心ながらもバリアを持っていて相変わらず安定した性能だった。

 

 

エマ

 旧7組の初期メンバーながら、今回でようやく故郷に行けたことで、いろいろ掘り下げられた気がする。

 シリーズ恒例の至宝の一族としての役目は大体果たし終えたように思えるけど、マクバーンや盟主など外の理関連で、姉共々今後も関わってきそう。

 戦闘では、ボス戦でのバリアとセレネアスブレスが超便利だった。大体アリサかエマがいると戦闘の難易度が一段階下がるイメージ。さすが至宝の一族の末裔たち。

 

ガイウス

 前作で大出世を果たした7組の風。

 第二部ではメルカバ載せてくれたり、出番は多いはずなのに、相変わらず何かが足りない。やっぱり因縁のあるキャラがウォレスぐらいしかないのがやはり原因か。呪いや教会関連もエマやトマス教官の方が目立っていたし。キャラ自体は安心感がある分、ガイウス個人の掘り下げが、1のノルドで大半が完了しているのが残念。

 絆イベントは、守護騎士という使命に囚われて、見失っていたノルドという足場を再確認する、というの内容。普段人格面での安定感がある分、自身のあり方を見失い、再確認するというのは、いい掘り下げだった。

 リンデとのコンビが押されていたけど、確かにこの二人って全面に押し出す感じではないけど、1の頃から描かれてきただけあって、安心感のある組み合わせだった。

 「絶対遅延の数字に妨害クオーツなどの分も確定でのる」という頭のおかしい仕様を知って、妨害特化のガイウス(通称:妨害ウス)を試してみたら完全に「ずっと俺のターン」だった。後から知って良かった。

 

クロウ

 後輩から借りパクした50ミラの利子の返済に人生を左右される男。

 1以来のプレイアブル。「ボーナスステージ」「かりそめの命」というフレーズには、最初は切なさを感じていたけど、あまりにも何回も言うから、逆に「最後復活するやつや」と察してしまった。それだけにノーマルエンドは不意打ちだった。あそこの最期も含めて完全にリィンの相棒ポジに収まった。相克も二人で勝ち上がったというイメージが強い。

 性能は、二丁拳銃とダブルセイバーで使い分けできるのはいいけど、クラフトが微妙で、悲しかった。愛で使ったけど。強化パッチおめでとうございます

 

 

ミリアム

 死んだ代わりに、相克を勝ち抜く上での得物という唯一無二のポジションを獲得した感がある。

 もともと「閃の軌跡」というタイトルは「帝国の闇を一閃する」という意味が込められていたらしいけど、今作でその元凶たるイシュメルガをまさに一閃する場面に居合わせたのがこの子というのは、1の頃からでは考えられない、その上で感慨深い役回りだった。

 ユーシスとは、3では兄妹的な描写だったけど、今作はアルティナと並んで絡んでいたり、ミシュラムでちょっといい雰囲気だったり、オーダーがセットになっていたり、EDではブーケをゲットしたりと、もう外堀も内堀もほとんど埋まった状態になっていた。リィンさんが恋愛方面であのザマだから、1組くらいは固定カップルもいていいよね。

 

サラ

 どちらかというと3の海上要塞で北の猟兵とケリをつけて、サラ個人のドラマは消化されていた。その分、4では前半は新旧7組に助言を与え、ラスボス直前に7組の総括をするなど、初代7組の担任としての貫禄を見せてくれた。総括の時も、散々生徒たちにいじられるところまで含めてらしかった。地味に謎だったサラが準起動者に選ばれた理由もわかったし。

 

デュバリィ

 序盤で自分でチョロインとか言い出した時はどうなるかと思ったけど、最後まで普通にかっこよかった。

 正直プレイアブルの事前情報が出た時は、キャラが好きな分の嬉しさと、碧でちょい役だった頃からここまで来たかという感慨深さとリィンハーレムに組み込まれて終わるんじゃないかという恐れが混在していた。

 

 蓋を開けてみれば、リィン奪還というクソ熱いところで参戦してきて、仲間になった後も、客将という立場でありつつも、戦闘訓練やらクエストやらで面倒見の良さを発揮し、パンタグリュエルでは敵にたじろぐ味方を率先して激励するなど、味方ならではの見せ場が用意されていた。

絆イベも、あくまで剣士としての掘り下げがメインで、色恋ネタは鉄騎隊やクロウにいじられる程度にとどめたのもいい塩梅だった。

23歳と、パーティーキャラの中では、やや年長者だったのもいい味を出していた。

オーダーにはお世話になったけど、クラフトは全体的にもうひとまわり強く

してもええんやで…

 

トワ

ミハイル教官共々プレイアブル期待していたけど、ダメだったよ。

彼女自身の掘り下げは3の実家訪問で一通りしていたけど、今作では、先輩組の一人として描かれていた。

 余談だけど、3の実家訪問の時に「軍事も武術も本質的には力であり暴力。それらは帝国にいる限り避けて通れないからトールズ士官学院に来た」と、語るところ、可愛いだけじゃない、才女としての一面が覗いているのが好き。

サラやアンゼリカ、クロウとジョルジュに語りかけるところが印象強い。単に「死ぬな」ではなく、罪を背負い続けなければいけないからこそ、自殺することを許さない、友達だからこそ逃げることを許さない、とするのが厳しさと優しさに満ちた場面だった。

 

 

 

特務支援課

 初期4人のみの出演。リィンとの主人公対比でロイド、マリアベル関連でエリィ、エプスタイン財団関係者としてティオ、序盤の新7組の引率としてランディ、とそれぞれ話には絡んでたし、あんまり出しても持て余しそうなのでちょうどいい塩梅だった気はする。

 ロイドはパンタグリュエルでの「俺は捜査官だ。物事の表面は見ない」と彼らしさを押し出したエールをリィンに送っていたのが前作主人公の面目躍如といった感じ。

 

 エリィさんは、零碧以上に衝撃的なデカさだった。何がとは言わないけど。マリアベルとの因縁は清算できてないけど、本人たちの間では、ある意味ケリはついたことになっている模様。オーレリアと親戚だったり、お母さんのディアナさんも含めて割と掘り下げられたイメージ。共和国編でお父さんも出てくるのかな?

 

 ティオは、Sクラフトの3カメ演出再現されていてよかった。要塞でナビしてくれたのは耳が幸せだったし、ランディとの再会時のハイタッチは、かつての特務支援課の距離感を思い起こさせた。

パンタグリュエル戦では、クラフトが微妙でアーツを撃つ以外の役割ができなくてちょっと辛かった。

 

 ランディは序盤で、新7組だけでは心もとないけど、旧7組から一部キャラ混ぜるのもなんか違う…という時に引率役として入っていたのが、いい人選だと思った。性能も火力役としてちょうどよかったし。前作使えなかった不満を払拭するかのように、ほぼ全編通して使えたのも良かった。

 

遊撃士(空組)

 ほとんどが必然性のある形で参戦してきて、かつ過度にメインに食い込みすぎることにもなっておらず、良いバランス。

エステルは、リベールの異変を解決した立役者として、遊撃士協会の理念を代表するキャラ、という感じだった。カシウスとの関連などもあっただろうけど。    

キャラ性能は「微妙」。さすがに単体Sクラフトは…。彼氏を見習ってほしい。ある意味再現度が高いとも言えるけど。

 ヨシュアは、ハーメル・アッシュ関連で、後付けとはいえ、新しい切り口でハーメルが掘り下げられていたのはよかった。あと、漆黒の牙が閃のシステムに適合してて非常に便利だった。

 レンはクロスベルの家族関連で、それっぽさを匂わせつつも断定しない形で家族とちゃんと話せたのは、グッとくるものがあった。ビジュアルも面影を十分に残しつつもちゃんと成長した姿を見せてくれてよかった。

 シェラザードは、公式サイトまで載っていたわりに、プレイアブルでもなく、出番も少なく、ほとんどオリビエといちゃつくために出てきた感じだった。この辺は開発期間の短さも影響してるんだろうなぁと邪推する。結婚おめでとう。

 アガットやティータ達3からの続投組は、大体前回で役目はひと段落していて、エステル達と帝国組へのつなぎという感じ。ティータにもちゃんとSクラが用意されていてよかった。エリカの「バンダナ外したからって許されると思うな」で笑った。

 

カシウス・クローゼ

カシウスとクローゼは、他と違って、王国の公式側のキャラとして出演。千の陽炎作戦の一角を担っていた。

 クローゼは、リベール代表、レクターやルーシーとの絡みの出番が中心で、比較的ゲスト色が強かったのに対し、カシウスは千の陽炎作戦の最高司令官、リィンの奥義皆伝イベントで相手を務めたりと、かなり本筋に関わってきていた。最高司令官に決まったのは、百日戦役での功績と、共和国を作戦の主力に据えすぎると、戦後処理でもめそう、とかその辺の思惑もありそう。

 

 

オリビエ

 さすがにあれで退場はないと思っていたけど、満を持して、というタイミングで復活してきた。ああいうのは、分かっていても熱くなってしまう。

 歴代主人公がそれぞれ第三の道を行く決意表明をした直後に、彼らをつなぐ「光まとう翼」としての新勢力樹立は綺麗な流れだった。首脳陣を含めて、あの場にいた全員にとって、オリビエが共通の知人であったのも、空の軌跡や碧の西ゼムリア会議などを通じて描かれてきたオリビエだからこそ、という説得力があった。ロックスミスの「よそ者・ばか者・若者だからこそ、枠組みにとらわれない」という評価は彼の今までの行動を的確に表していると思う。

 今作で、歴代主人公をつないで、間接的とはいえ打倒オズボーンを果たして、シェラとも無事結婚して、やることはやった感じ。ただ、皇位継承権の問題どうするのか。帝国の制度的にはアルフィン女帝が、成立しうるのだろうか。

 

セドリック

 分校を二軍呼ばわりしたり、アルティナを絞殺しようとしたり、緋の騎神に酔い痴れるなど、3でやりたい放題かましてくれたセドリック君。

 今作では、オズギリアス盆地でユウナたち量産型に劣勢だったり、エイダたち本校生全員に愛想を尽かされたりと、思う存分小物っぷりを発揮して、こちらの溜飲を下げてくれた。

 一方、オリビエ復活した時の様子や、アルフィンの絆では、家族への感情に振り回される姿も。

 このように、狂気的なまでのイキリパワーの中に、理性と家族への感傷が入り混じっていて、それらの原点には、「英雄になれる人達・資質への憧れと渇望」がある。というこれまでの悪役の中でも味わい深い(?)描かれ方をされていて、非常に面白いキャラになったと思う。

 要塞で、罪を自覚した上で、自身の内面を吐露し、7組に、リィンに敬意を示して戦いを申し込む流れは、不覚にも感動してしまった。

 新7組の方も、いろいろ降り積もる感情もあるだろうに、憎しみに任せて戦うのではなく、不自然なまでの傲慢さと矛盾を指摘したのはよかった。あそこの新7組との一連のやりとりは、ある意味彼らが積み重ねてきたものの集大成。

 最後は、イキリセドリックではなく、己の過ちを認めた真・セドリックとして、

まさかの結社入り・執行者就任してしまったけど、本人も言っていた通り、やらかしたことと立場を考えると行方不明扱いになるのが、一番丸い気がする。

 正直に言うと、シャーリーとのカップリングは好きです。

 

シャーリー

 以前のような見境ない感じの戦闘狂ではなくなったけど、リーシャとの対峙を通じて変わりつつあるというのは納得。本人もそれまでの自分から変わるために結社入りした、っていう感じのことを碧で言ってたし。

 今回、始めはセドリックを冷ややかな目で見ていると思ったけど、どちらかというと、「ほうっておけない」という感情に基づいていたのは意外だった。

 なんだかんだ本校ライフを満喫していたり、レオノーラと水泳勝負をしたりしたのは、敵ながらシリーズを通じたキャラの変化を感じられて良かった。

 今思うと、3のラストでテスタロッサをキメたセドリックに「ちょっと違う」と言っていた真意もわかって、今後も結社の若手コンビとして出てくるのに期待。

 セドリックを闘神シグムントに紹介するって言っていたけど、ラブコメの波動を感じる。

 

オズボーン

  リィンの父親としての顔をなんらかの形で見せて欲しい、でも最後まで圧倒的な存在であってほしい、という二つの気持ちがあったけど、完璧に近い形でどちらもやりきってくれた。

 思えば、クロスベルは言わずもがな、空のFCのクーデターがそもそも帝国の富国強兵政策への恐れに由来していたことを考えると、シリーズ全体に及ぼしてきた影響というのは途轍もないもので、それだけに圧倒的「格」を保ったまま退場したのは見事としか言いようがない。

 ドライケルスの生まれ変わり、という設定は、最初は「オカルトかよ」と思ったけど、その重みに気づいていくにつれてゾクゾクしました。閃の軌跡を通じて描かれてきた、帝国の激動の時代と、トールズ士官学院の学園モノとしての要素がドライケルス=オズボーンというラインによって、ピタリ、と一点に収束するというのが、やばい(失語)。あと、ピッチリスーツも別の意味でやばかった。

要塞での決戦時に、あえてリィン達トールズの礎を築いたドライケルスとして「全力で諍う」ことを命じ、7組もそれに敬意を示して「イエス、ファウンダー」「イエス・ユア・マジェスティ」と応えるのが、トールズ、ひいてはエレボニア帝国の歴史の集大成になっているのが激アツだった。

思えば、リィン達の行動は、常に「世の礎たれ」というトールズの理念に裏打ちされていて、そういう意味でも落とし所としては完璧だった。

リィンの父親としての顔も、自身に諍い続けることを期待した上で、英雄に祭り上げたり、分校に無茶振り演習をしてみたりと、後になってみれば合点がいくことが多い。最後の相克が終わりに近づき、お互い後戻りできないところまでいったところで、ポツリと父としての叶わなかった夢を漏らしたり、結局打倒呪いの真意が確定するのが、死んだあと、リィンの夢想神気合一のところで檄をとばすところだったり、とオズボーンという人間を魅せる上で徹底してこだわっているのが、後から振り返ると、見えてくる。

呪いに生涯を侵されつつも、最後まで意志を保った上で、悪役を演じ、自身を倒しうる次世代を育てる、という善悪を超えた、圧倒的な親父キャラとしての貫禄だった。

バトルでは、ラスボス戦に相応しい重火力状態異常マシマシで、Sクラのカットインの迫力が凄まじかった。イシュメルガは、マクバーンの餞別もあって、初見で倒せたけど、もう二度とやりたくないぐらいピンチの連続だった。

 

ルトガー

ビジネスとして猟兵をする赤い星座に対して、「生き様」としての猟兵である西風というのもよかった。(僕が勝手に思っているだけですが)ゼノレオ含めてキャラもよかったし。

ただ、西風の旅団自体は1の頃から出ているし、もう少し話の本筋に関わると思っていたら、起動者になる前は、あくまで傭兵でしかなかったというのは意外だった。だからこそ、フィーの親として、一人の人間として死ねた、というのがドラマにもなっているのだけど。

ラストの「ここが踏ん張りどころだな」っていう声が聞こえてきたところは、声が特徴的なだけに、すぐにルトガーだとわかって熱かった。

 

 

アリアンロード

 碧や閃3ではよくわからないキャラだったけど、打倒・帝国の呪いという真意がわかると、本当に聖女と呼ぶにふさわしい人だった。

1のローエングリン城でリィンを助けてくれたのも、ちょこちょこ見守っていてくれていたから、と納得。リィンを赤ん坊の頃から見守っていてくれて存在、という意味で「リィンを息子のように思っていた」、という死に際の独白は心にきた。

3の頃から、リィンにやたらと「我が軍門に下れ」って言ってきたのもまた、違う意味に聞こえて微笑ましいし、黒の工房戦でも、昔の恋人の生まれ変わりと息子(のように思っている)を前にして、内心ウキウキだっただろうなと想像してニヤついていた。

 そういう風にデュバリィたちとの主従を超えた関係を含めて、「リアンヌ」としての素顔を出してきたのは、今までの積み重ねも相まってよかったなあ。

と思った矢先に、ルーファスのバックスタブで絶望した。ついにプレアブル化だと思って、心の中で歓喜していだけにね。

 

ルーファス

 金騎神をかっさらったり、アリアンロードにバックアタックかましたり、一人悪役ムーブを崩さない兄上。

思えば、2でも内戦をほぼコントロールしていたり、特務支援課を生殺しにしたりと、閃通して嫌がらせが徹底してきてる。ここまでやっておいて、「うわぁ」とは思いつつも割と好きなキャラではある。(悪役として)ここまで有能ぶりを見せつけられると、敵ながら嫌いになれない。なんだかんだユーシスがまともに育ったのは彼の影響もでかいだろうし。

でも、実際にプレイしていて、リアンヌをグサーッした瞬間は、さすがに殺意湧いた。

 起動者としては、割とあっさり退場。金の騎神のデザインは良かっただけに、もう少し出番が欲しかった。白兵戦含めても、234で一回ずつ戦っただけだも

んなあ。

 行動原理が、「欺瞞に満ちた自分の人生(本当はアルバレアの直系じゃない、鉄血チルドレン筆頭だけど本当の実子は別にいる)を本物にしたい」、と一貫していたのが魅力的。それだけに敗北後の「所詮本当の子供たちには勝てないのか」って膝をつくのは心にくるものがあった。

要塞でも、アルベリヒの語る理想に「人並みに苦悩してきた身」として反論したりするとこが地味に好きだったりする。

普通に平民として生まれて成り上がっていった方が、本人も周りも幸せだっただろう。

 

 

レクター・クレア

 3で過去を聞いているだけに、4では、終始微妙な立ち位置だった印象。正直扱いに困っている感があった。ミリアムの犠牲を無駄にしない、という決意自体はいいんだけどね。鉄血の騎士としてのお揃いの服は二人ともよかった。特にクレアさんエロい。

 

 クレアは、序章で、ミリアムとの写真を見て、慟哭したり、ミシュラムで、リィンに「あなたのことが嫌いになれるわけがない」と言われたりするとこかなり好きだった。あと「ごめんなさい。私が私を変えられなくて」というセリフは彼女の精神性をよく表していると思った。

 レクターは、出自を3で明かすのが早すぎた印象。結果として、クレアと扱いを差別化できていなかった。

 

要塞でも、負けるの前提で、リィンたちに散々言われた挙句、負けた後自殺しようとして止められたり、正直あまりいいところがなかった。二人ともそれぞれ抱える事情があっただけに、まとめて処理されたのが残念。

呪いを制御できる演出として、アンチオーダーで割り込んでくるのは、システム的な脅威にもなっていてよかった。でも要塞の方ではもっと壊れた強化してもよかったんじゃないかな…

 

カンパネルラ・マリアベル

 アリアンロード、シャロン、マクバーンが、あまり敵らしくない描かれ方がされていたのに対し、この二人は終始悪役ムーブ全開だった。鉄血の傘下に置かれて、悪役としての株が下がり気味だった結社の底知れなさを深めてくれてよかった。

 カンパネルラは、男女別云々のとこで、性別が分からなくなったけど、そもそもまともな人間かも怪しい。外の理関連かな?ユウナに逆ギレしたのは、いい意味で素顔が出てきてたのが面白かった。

 マリアベルは、碧の「憎みきれない」発言に、うーんとなっていたけど、今作はそれを踏まえてか、リィンやエリィを含めたほぼ全員に嫌われていたのは、一周まわってキャラが立っていた。本人も、自身が嫌われるのを承知で開き直っていたあたり、ある意味誰よりも生き生きとしていた。

何回か「アルス・マグナ(大いなる秘法)」という言葉が出てきたり、マクバーンが「根源の奴にも話を聞かなきゃ」って言ってたあたり、世界観の掘り下げにも大きく関わってきそう。そもそも二つ名の「根源」は何を意味するんだろう。

 

マクバーン

 今思うと、3ラストのイシュメルガを見た時の「いるじゃねえか、俺を圧倒してくれそうな奴が…」っていうセリフがまた違った意味に聞こえる。確かにあれとサシでやり合えるのはイシュメルガくらいだな…

 正体は、外の理関連であることは察していたけど、想像を超えてきた。すでに滅んだ世界の神だったみたいだけど、今後どうケリをつけるのだろう。

 自身の正体を知りたいけど、本当の全力を出せば塩の杭なみの被害が出るから50年間も我慢していた、というのは、不敵な笑みで話してるけど、内容はちょっとほっこりする。周りへの迷惑を最小限にする良識があるってことだもんなあ。戦い終わったら、ちゃんとごめんなさいするし。

餞別にくれるアイテムも超有能だし、さすが異界の王様。

去り際の「そんじゃあな」は、クロウとの仲の良さを察せてよかった。

 

オルグ(ジョルジュ)

 なんだかんだオリビエもアンゼリカも助けてくれて、実際に地精として活動していた期間もクロウの死亡後以降のみと、敵役としては、3で正体が発覚した時がピークだった気もする。むしろ敵として成し遂げたことがなさすぎる。

 地精としての葛藤は、リィン救出時、黒の史書、ガルガンチュア戦と、よく描かれていたし、先輩四人組がそろっているのを見られたのは、やはり感慨深かった。(クロウは卒業してないけど)

 プレイアブル化したのも嬉しいサプライズ。カラドボルグのハンマーの先端がドリル状に回転するのがかっこよかった。

 

アルベリヒ(フランツ)

 前作で判明した、シリーズを通じて暗躍していた工房長。序盤のマリアベルとお互いの技術を盗み合ったことを陰湿に詰り合うくだりが好きだった。

 白面と仲が良かっただけあって、悪趣味さはかなりのものだったけど、悪役としては微妙に埋もれた感がある。

 黒の工房まで行っても、まともな地精がゲオルグしかいなくて、そのゲオルグもアレだったりで、思ったほど、あんまり工房長という肩書きに見合うほどじゃなかった感がある。

 ガルガンチュアでも、黄昏後の地精のプランを喋って悦に浸ってたけど、アリサに「魂まで隷属された存在」、シュミットに「誰だか知らんけど不可」、イリーナにも見放されて、かなりひどい扱いだった。本人もイシュメルガの下僕であることについては、割り切っているみたいだったけど。

 要塞でも、一応味方のはずのルーファスにまで「お前の計画には賛同できない」と言われ、オズボーンも本心でイシュメルがに従っておらず、実際にはかなり孤軍奮闘していたんだなあと。(こういうところまで含めてワイスマンとかぶる箇所が多い)

 ただ、彼の望む「絶対存在に支配された世界」に対して、オライオン姉妹が感情を獲得したことを踏まえた上で、「人間は他者と関わってこそ人間としてあれる」と突きつけるのは、軌跡シリーズのテーマにも合致していて良かった。空のエステルとワイスマンのやり取りを思い起こさせる。

 

フランツとしては、今作屈指の有能だった。

「ギリアスさんは最後まで諦めなかった」というセリフは、呪いに諍うオズボーンへの敬意や、密かにイシュメルがを葬るべく共謀していたことが凝縮されていて良かった。

最後の復活サービスやジョルジュへの励ましも含めて、短い出番ながらもいい人感があふれていた。

 最後にアリサにもきちんと別れを告げられたけど、結局イリーナとは何もなかったな…。

 

 

イリーナ・シャロン・シュミット

 イリーナに関しては、正直何がしたかったのか分からなかった。

 そもそも12の頃から、夫の死を境に、会社の体制を不安定にさせてまで、技術革新を進めていたはずなのに、その理由がはっきりと分からなかったのが、ただただ不可解だった。

 政府に協力していたのは、アルベリヒにフランツの思念が残っている可能性に賭けていたらしいけど、それもあっさり見放すし、正直シャロンも含めて周りのこと振り回しすぎだろ、というのが本音。

 シャロンは、口では色々言いつつも3の黒の聖杯時点で未練タラタラなのがわかったし、戻ってくるのは分かっていたけど、本人の意思というより、イリーナの屁理屈をきっかけにしたのがうーんという感じ。まあ、10代前半まで暗殺者で、そこからずっとイリーナに付き従っていることを考えると、あんまり主体性がないのも仕方ないのかな?アントンとの再会は良かった。

 シュミットは、要塞(クソ)を攻略させてきたり、敵側に寝返ったり、好き勝手していたけど、根底に弟子のことを気に掛けるというスタンスが貫かれているのが良かった。ツンデレおじいさん。最後のフランツとの会話も弟子への彼なりの愛情が垣間見えた。

 

ヴィータ

 敵ですらなくなった使徒のお姉さん。本来の焔幻計画が「最小限の犠牲と相克による解呪」だったり、助っ人に何回も来てくれたり、ついに本編でプレイアブル化したり、いい人感が溢れすぎて、次回以降敵として出てきた方が逆に違和感ありそう。(永劫回帰計画には参加予定らしいけど)

 オペラ歌手に、ラジオのパーソナリティ、結社の使徒、クロウの導き手、貴族連合への協力、実家(魔女の里)への協力と防衛、ヴァイスラント決起軍の幹部と、シリーズ通しで見ると、働き者とかいうレベルじゃない。

 今作では、エマの故郷である魔女の隠れ里を訪ねることで、自動的にヴィータの掘り下げもなされたのが良かった。第二部序盤の、エマと昔暮らしていた部屋に帰ってきて、自身のベッドを片付けないエマに呆れるところとかは、姉妹としての二人を見られた。

個人的に2の頃から気になっていたクロウとの関係にも言及されたのも嬉しかった。ああいう互いに仄めかしながらも、さらっと流すような感じが、大人っぽくてツボだった。結局クロウ生存したけど、どうなるんだろう。

あと「与ダメージ2倍」とかいう脳筋オーダーで笑った。

 

ヴァリマール(と愉快な騎神たち)

 今リィンと契約する場面見返すと、色々感慨深いものがある。

 記憶喪失の状態から始まって、相克を制したある意味閃の軌跡のMVP。

 最後の「リィンの成長を見届けられて誇りに思う」というあたりベタだけど感動した。騎神戦はあまり好きじゃないけど、数十回やっただけあって、ヴァリマールへの愛着はあったので、別れるまでの流れは良かった。

 オルディーネは2以来の台詞だったけど、普通に喋れたのか…。リィンたちとは対極的に、クロウとさらっと別れるのも良かった。

 他の騎神たちも、最後なんだかんだクロウミリアムの復活に力を貸してくれるくらい紳士だし、それぞれ一回ぐらい話してみたかった。

 復活の「応!」×6は、熱さとシュールさが混じっていて好き。

 ただ、起動者も騎神も7人(7騎)揃った場面がなかったのが唯一残念だった。

 

ローゼリア

 正直最後まで生き残ると思っていませんでした。ごめんなさい。

 序盤から新7組のリハビリに付き合ったり、リィン救出のメインプランを練ってくれたり、黒の史書の大元まで見せてくれたりと、全体を通して助けになってくれた。もったいぶらずにずっと力を貸してくれたのは、このクラスの人にしては珍しい気も。

 正体が聖獣だったのは意外というか、3では焔の聖獣が行方不明って自分で言ってた気がするけど。

 年齢的にも実力的にもかなりの位置にいるはずだけど、そうは見えないくらいはっちゃけた言動。かわいい

 

トールズ学院・第二分校

分校生は散り散りになっても、自発的に各地で潜伏・情報収集に勤しんで連携したりするなど、そのたくましい様子は2の内戦時に学院生が各地で活動していたのを彷彿とさせた。

3ほどでいく先々についてくるわけじゃないけど、メインストーリーに、もはや当たり前のように出てくるのは、3で一人一人丁寧に描いていた積み重ねがあってこそだよなあ、と。主人公たちの各地における活動のサポート役として、サブキャラの描写も丁寧な軌跡ならではの、キャラ達だったと思う。

ただ分校開放には直接参戦せず、そのまま列車に乗ったのは、ちょっと残念。

シドニーとマヤ・エイダの三角関係、スタークとクロウ・リィンの約束など今後がきになる人が多い。

 

ニールセン

黒の史書最終巻を持ってきて、使徒の第一柱疑惑がかなり高まってきたけど、どうだろう。仮にそうだとしても、クエストの内容・リィンへの忠告を見るあたり、フェアな人格ではありそう。

 

閃の軌跡4感想

 

最初から最後まで「閃の軌跡4」のネタバレ全開です。

 

 シナリオ語り

 

序章「変わる世界~闇の底から~」

 かなり長めのプロローグ。

 エステルヨシュアロイドエリィレンと開幕から飛ばしていく。

 一応零の軌跡でも共闘していたけど、改めて3Dで見ると感慨深いものがあった。敵はクレアマリアベルアルベリヒ、と謎のメンツ。クレアは鳥カゴ作戦で縁があったけど、なんでアルベリヒ来てたんだろう。

 

第一部「7組の試練」

 仮初めの学園生活。夢オチなのはすぐわかったけど、本校組と一緒の学園生活はちょっとしたifを覗き見ている感じで面白かった。クルトユウナアルティナの三人で「リィン教官!」って手を差し出すシーンとか、旧7組に発破をかけるシーンとかは、新7組の初期の三人が本当にリィンのことを思っているのが伝わってきた。

ユウナのは、発破というより「私たちはもう動き出しますから!」という自己完結した宣言とも言えるけど、あそこで新旧の垣根が一気に低くなった感じがした。クルトが少ないヒントからリィンの親子関係にたどり着いたのは鋭すぎて笑った。

 第一部を通して、新7組視点から、他の新旧7組と会話できるのは新鮮だった。

 

 アッシュ、ミュゼを仲間に加えるまでの流れのクルトたちの説得が熱い。二人とも3では本心を見せていなかった分、クルトユウナ、それぞれ同性キャラの説得によって、アッシュを苛む罪の重さと、その「贄」としての役割を強制的に割り当てられた配役への怒り、ミュゼの16歳の女の子としての本音が引き出されたのは、新7組のドラマとして見ごたえがあった。

 

 敵側としては、セドリックの流れるような小物ムーブで腹筋が崩壊した。ちゃんと進言を聞き入れて撤退したのは偉かったよ。

 ルーファスが金の騎神を起動者になったのは、キャラの格的にもまあ順当of順当という感じだった。

 

断章「折れた剣、そして」

 サラの男女別でいくわよ!で地味につぼった。人数差・戦力の配分を考えれば割と妥当ではある。

3ルート攻略はシチュエーションも相まって熱いんだけど、ラストの5連続ボス戦はさすがに重かった。まあ、この辺りが、バトルのバランスが一番取れていた気がするので、ダルさは無かったし、緊張感はいい感じに継続した。

 脱出した暴走リィン、ついに擬人化したセリーヌ、主の元を離れたデュバリィ、ついに味方として復帰したクロウの変則パーティーは、即興感も相まって興奮した。それぞれ敵として、クロウは9回(騎神戦含む)、デュバリィは7回、と顔を見飽きるくらい戦ってきたからこそ、「満を持して」というものがあった。

  そこから敵幹部を突破しながら、新7組、特にアルティナを中心にリィンを取り戻す戦いは、珍しい歌詞付きBGMも相まってシンプルに燃えた。

 オズボーン聖女戦は、敵味方の戦力差を考えると、4の中でも一番の難関だった気がする。AP獲得は諦めても、オズボーンのクラフトで味方が散り散りになるし、状態異常もガンガン飛ばすしで、苦労した。

 

第二部「宿命の星たち」

 満を辞してリィンが復活したけど、役者が揃うまでの流れがやや冗長だった。

 レーグニッッツ知事や正規軍、トールズ本校のそれぞれのスタンスや意地が見えたのはよかったけど、流れが3回とも、

「お前たちを見極めさせてもらう!→人質(全員女の子)解放!やったぜ!」

 

なのがちょっとワンパターンだったのが、ちょっと中だるみした。目的が人質開放に終始したのが、いまいちテンションが上がらなかった要因だろうか。

 

 反体制運動のせいで中央から追い出されたレーグニッツ知事、呪いが蔓延しつつある正規軍、セドリックひいては現体制に不信感を抱きつつあるトールズ本校、とそれぞれ現状を見極める必要にかられたという、納得できるだけの事情はあるけど、わざわざ同じフレーズを使わなくてもなぁという感じ。

 

 終盤のパンタグリュエルの下は、今後もシリーズ屈指の見せ場に数えられると思う。ロックスミスアルバート大公が出たのは、嬉しいサプライズだったし、歴代パーティーキャラの大半が揃って、大量の会話イベントを見て回れるのは、ここまでシリーズを追いかけてきたからこそ、味わえる最高のファンサービスだった。

「千の陽炎」作戦発表は、薄々概要は察しがつきつつも、レマンやアルテリア、オレドといった、未だ名称ぐらいしか出てこない地域も巻き込んだ文字通りの世界大戦だったのは、かなり想像を超えてきた。

その後も、遊撃士協会、特務支援課、トールズ士官学院が「支える籠手」「クロスベルの再独立」「世の礎たれ」というそれぞれの原点・理念に則って、決意表明をした矢先に、首脳陣を結社・地精の襲撃から守るために三者合同ミッションをするという激アツ展開。

 さらに、ピンチになった所で、カレイジャス2に乗ったオリビエの復活。オズボーンやアリアンロードを含めた空中スカイプ、双方の宣戦布告、と最後まで冷めない展開が続いて、歴代主人公をつなぐ「光まとう翼」の結成は一連の流れとして完璧だった。敵味方がみんな空中スカイプしている様子はシュールだったけどw

 

 

第三部「獅子の刻~閃光の行方~」

 ここで、2のopのタイトル回収はシンプルに熱い。

 ロゼの試練を越えて黒の史書の残りを見た時の怒涛の真相ラッシュは、これまでの伏線が怒涛の勢いが回収された上で、黒幕にまでたどり着く、という演出がよかった。巨いなる一の呪いを単なるご都合主義オカルト設定で済ますのではなく、「黒の騎神イシュメルガの暗躍」、というもう一段深い答えをちゃんと用意していてくれたのは安心した。

 

 一方、相克については、場を温めるという名目で、鉄騎隊とか西風のゼノレオと個別に戦うのは正直今更感が先立った。こっちもぞろぞろ10人以上で行っているわけだし、向こうもまとめて3人ぐらい出てきても、キャラの格的にも、ゲームシステム的にも普通に相手出来るよなーと。せめて特殊な勝利条件をつけるぐらいは欲しかった。

 

 ラストで塩の杭のパチモンと幻想機動要塞(笑)が登場。鉄血の騎士の装束もお披露目。やっぱりこういうのはワクワクする。1、2のマップもうまいこと使っていたのも演出としてよかった。でも幻想機動要塞とかいうネーミングはダサいと思うよ。

 

前日譚「せめてこの夜に誓って」

 

各国の人々やオリビエ、分校生を含む光まとう翼全員が、打ち合わせ兼景気付けという名目で、一堂に会するお祭り騒ぎは、世界大戦前夜とは思えないノリでありつつも、パンタグリュエル以上にイベントが充実していて、堪能した。一応、大戦が始まってからでないと、正規軍の警戒が強すぎる、と最低限の理屈はあったし。

ようやく揃った先輩四人組とか、みっしーショーをエンジョイするティオとジンゴとか細かいネタまで描かれていて、時間が面白いくらい溶けていった。

あとこれで最後だからとばかりにカップルだらけだった。ガイウスリンデ、エリオットミントとかが一緒にいたのは意外だった。それぞれ納得できる組み合わせではある。最後はアリサを選んだけど、誰も選ばずにマキアスクロウと呑み明かすのも好き。

 

最終幕「散りゆく花、焔の果てに」

 タイトルで嫌な予感しかしなかった。

 帝国編最後のマラソンだけあって、クエストも各地の会話も気合が入っていて、自由行動から塩の杭突入まで10時間ぐらいかかった。

 空組や特務支援課との共闘など、期待してたクエストもあってよかった。

 

前哨戦の塩の杭で、「空組」「特務支援課」「鉄騎隊・西風連合」「地精・魔女(とシャロン)」「決起軍・カレイジャス復活組」という5分割攻略という予想を軽くぶっちぎるファンサービスだった。掛け合い目当てで、ここでも2時間近く使ってしまった。というか、Eチームだけ明らかに戦力配分おかしくて笑う。トヴァルが困惑するのもやむなし。

 

ラスダンの幻想機動要塞(笑)の方は、恒例の号令をリィンを除いた7組全員でして、最後はクロウで〆るのが憎い演出。各ボス戦については、キャラ語りの方に回す。今作のボス戦は大体7組の数の暴力でボコってる感じだったけど、その分騎神戦は、同数のロボ同士で殴りあう、という住み分けが出来ていたのはよかったと思う。

結社の面々は、それぞれ情報という名の盛大な置き土産を残していったけど、どっちもシリーズの根幹に関わることだったのは、かなりぶっこんできた感ある。「可能世界」とかさらっと出てきたけど、どういうことだろう。パッと思いつくのはヴァーチャル世界だけど、流石に違う。あの辺は、今まで結構ぼかしてた世界観にようやく言及されて、かなりゾクゾクするものがあった。

オズボーン戦は、おなじみの3分割攻略。実際に17人相手しているわけではないだろうけど、これぐらいしても釣り合う、という圧倒的なボスとしての格がある。

黒のイシュメルガ戦は、かなりきつかった。騎神戦自体は好きじゃないけど、ラスボスのシチュエーションとしては好き。鬼のような難易度の中、マクバーンの優しさが染み渡る。

 

ノーマルエンドは、唐突感はあったけど、一つの決着としては納得いく形。

クロウとミリアムが流れるように付いて行ったのも良かった。クロウの「旅は道連れってな」からEDの3人の安らかな顔が映る一連の流れはずっと号泣してた。膝から崩れ落ちて虚ろな目をしているエリゼなど、残された人たちが呆然としたり、絶叫している様子が映されるのも印象的だった。

 

その上で、大団円のトゥルーエンド。39人ものプレイアブルキャラ、熱く檄をとばす、猟兵王、聖女、鉄血宰相たち。王道といえばこれでしょ!という展開が目白押しだった。ちなみにここ、オズボーンの声が最初「頼もしい声」と表示されているのが芸が細かい。

最後のイシュメルガをミリアム剣で一閃するのは、「閃の軌跡」のタイトルの由来である「帝国の闇を一閃する」というのが、真の意味で実現した瞬間だった。

 その後、帝国の行く末がざっくり描かれつつ、EDへ。

 もともと閃の一枚絵・キービジュアルは出来がいいものが多かったけど、EDの贅沢なパーティーの一枚絵ラッシュは、今まで積み重ねてきたものが凄まじいだけに、心震えるものがありました。マキアスに酒を勧めるフィーや、特務支援課が乾杯する様子、空組がジンさんも含めて揃っている様子など、絵だけであそこまでキャラ同士の会話や細かい仕草まで想像させてくるのは、スタッフの熱量がと気遣いが伝わってきた。そして締めは、7組や協力者達に囲まれている笑顔のリィンという流れは、今まで4作溜めてきただけあって「よかった」とただただ祝福した。

 

 そして、ここで事前情報にあった星辰の間が出てきてないことに気づき、もう一度クリアデータをロード。案の定、星辰の間で結社の中枢メンバーが会話。2の時みたいに2周目限定イベでなく、こういう形にしたのはグッジョブ。こういう敵組織が相談している場面好き。そしてまさかの盟主登場。多くの謎を残しつつ結社は永劫回帰計画に動き出す模様。意味深な発言にとどまらず、結社の内部情報は結構本質的なものがあったけど、結局目的がわからない…。

メンバーが減ったり、オズボーンの軍門に下ったりと、割と結社の株が下がり気味だった。ただ、至宝を見届けること自体が目的で、執行者と使徒を通じて何らかの実験をしている、今尚計画に揺らぎがない、と明示されたことで、ミステリアスな組織としての面は割と強くなった。次回以降の活躍に期待。

 

 

戦闘システム関連

 もともと、閃の戦闘システムは、爽快感もあって、戦術リンクや、クラフト、クオーツによって、各キャラの固有性とカスタマイズ性のバランスも取れていて、3以降はオーダーで攻防のメリハリもつく、とシステム自体はコマンドRPGとしてかなり良くできていると思う。

 3では、バランス調整がガバってバランスが崩壊気味だったけど、4ではオーダーを中心にかなり手が入っていてクラフトにもアーツにも役割があってよかった。

 難易度自体は、序盤から第二部辺りまでは結構シビアで、そこから後半にいくにつれてだんだん楽になっていた感触だった。(ハードの場合)

 各キャラの性能も、調整されていて、基本的にどのキャラを使っても持て余すことはなかった。(それでも強い弱いはあるけど)アタッカー枠で不動の一位だったリィンも鬼化にデメリットをつけて、前ほどお手軽じゃなくなったし。

 一方、敵のSクラをバリアでお手軽に防げちゃうのはなんとかならないかなあとも思う。せめてSクラは一定割合でダメージ貫通ぐらいしてもいいきがする。

 次回作は、共和国編だとしたら、せっかくラムダっていう面白そうな設定があるし、今までとガラッと仕様を変えたりしてほしいなあとも思う。ひとまずクロノバーストはあったら使っちゃうから消えて欲しい。

 

 あと、騎神戦は、かなり真剣に今作で終わりにしてほしい。

クラフトも必殺技も使い回しばかりだし、正直バランスを除けば、通常戦闘の劣化版にしかなっていないと思う。蒼破十字斬りはよかった。

4の後半に至っては難易度が無駄に上がって、アイテムがほぼ必須になってる。全体攻撃に対して、駆動解除してもすぐにまた撃ってくるし、後半はデバフの通りも悪くなるしで、対抗策が各自防御した上で、アーツで削るぐらいしかなかったのは、正直ストレスだった。

もし次回作も兵器vs兵器の戦闘を入れるなら、根本からシステムを見直して

ほしい。

 

相克

前作から騎神が揃った後、どう決着をつけるのかと思っていたけど、タイマンによる勝ち抜き戦というのは、ご都合…もといよく出来た設定だった

 実際、各起動者のドラマを消化しつつバトルによる決着をつけようとしたら、こういう形にせざるを得ない部分はあるけど、パンタグリュエルとかで灰・蒼vs緋紫のタッグバトルが見られなくなったのは残念だった。

 ただ、「鋼」が至宝の闘争の果てに生まれたことを踏まえれば、納得できるし、2の頃から出てきた精霊窟にもちゃんと意味があったんだなー、となった。ぶっちゃけ水増し要素だとしか思っていなかったので…。

 順番も、ストーリー的に合流必須のクロウをやって、今作の黒幕とは別口かつ、それぞれの信念がある猟兵王、アリアンロードを倒して、ラスダンで残り3機をやるというのは、筋が通っていたと思う。

 ただバトルロワイヤルっぽい設定の割に、結局灰が全員倒したのは気になった。贅沢を言えば、決着がつかなくてもいいから敵vs敵を見たかった気持ちがある。ルーファスはノーカンだ。

 

絆イベ関連

 いいところも悪いところもあるなーというのが正直な所。

 閃に出てくる7組を初めとした大量のキャラの掘り下げをするにはうってつけのシステムだと思う。1から通してやると、どんどん各イベントの質が上がっているのもわかるし、そもそも空や零ではキャラの日常、掘り下げが非常に限定的な場面でしか描かれなかったことを考えると、今後も続けて欲しい。

 主人公リィンを中心とした人間関係しか描かれなくなる、という人もいるけど、4ではリィン不在の時期が長いのと、拠点でリィン以外が何人か集まって会話している様子も描かれているし、その辺のバランスは何作もやってだけあって、着実に洗練されてきた部分だと思う。

 ただ、4で恋愛対象が11人にまで増えたのは、さすがになあ、と。アリサ・エリゼあたりはメインでも散々描写があったし、旧7組勢ももう今更だけど、教え子3人やトワまで対象に含めたのは、正直拒否感がある。(キャラはみんな大好きだけど)ユウナとか通常絆で恋愛フラグが立つとかいうのは、ひどい罠だった。

イベント自体は、どれもリィンとそのキャラの関係を踏まえたものとして、丁寧に描かれていて見応えがあったけど、だからこそ余計にそれらが全部恋愛に行き着くのが…。

 

 ユウナは、リィンを恩人としての敬意を持った上で、リィンの女性関係やシスコンぶりを弄ってくる距離感が好きだったので、普通に恋愛に振り切ったのは、残念。

 アルティナも、そういう感情があるのは、プレイヤー目線で察しはついていたけど、リィンの方からも言い寄るのはさすがに事案だし、リィン側のキャラとしても違和感がある。

 

 そういう意味では、本編で描写されながらも戦友としての関係を崩さなかったデュバリィさんとツンデレ相棒枠に収まったセリーヌがよかった。

 絆システム自体はとてもいいと思えるので、今後のシリーズでも続けるならうまく料理してほしい所。

 後ここまで力を入れて描くなら、普通に一週目から全部観れるようにして欲しい。

 

 

残った伏線

今作の話は十分に満足する出来だったけど、作中で放置気味の謎が割とあってその辺のまとめと考察的なもの

 

焔と大地の至宝の本来の機能 

二つの至宝が合体して巨いなる一になったのは、作中でも言われていたけど、元の至宝の機能については特に言及されずじまいだった。

盟主が「二つの至宝を利用することはほぼ不可能」と言っていたけど、ほぼ、ということは、今後シリーズ最終章などに引っ張り出される可能性も?魔女と地精の協力が現実的になった今ではありえそう。

クロウたちの蘇生時のロゼとフランツの台詞からすると「黒の巨槌」が物質のエネルギーの操作で、「緋の聖櫃」が魂のエネルギー操作っぽいけどどうだろう

 

歴史の真実

そもそも二つの至宝が1200年前に激突した理由がぼやかされていた。

そもそも全ての至宝が同時期に消えたというあたり、それらをつなぐ事件が1200年前の「大崩壊」時に起きて、そのあたりが関係しているのかもしれない。

 

900年目の暗黒竜についても「黒」というあたり、イシュメルガが関係している様だったけど、イマイチわからなかった。

一連の流れを整理すると、

「イシュメルガが暗黒竜を眷属として生み出す」

→「帝都が廃都になり、聖獣アルグレスがイシュメルガの思念体を取り込んで眠りにつく、先代の魔女の長が謀殺され、2代目ローゼリア引き継ぎ」

→「帝都奪還前後で、イシュメルガが地精を取り込む、魔女と地精の決別、テスタロッサが呪われる」

 

という感じ?

呪われたテスタロッサがクロウやリアンヌを殺害しているあたり、かなり後々にも影響力のある事件だったので、ある程度整理して語って欲しかった。

あと月霊窟に入るとこで、他の霊窟や呪いにかかった人間の瞳に浮かぶ紋章も結局謎のままで終わってしまった。エマがわざわざ言及してたのに…

 

不死者

ルトガー、リアンヌ、クロウとそれぞれ異なるケースで蘇生しており、騎神との関連も示唆されていたけど、結局明言はされずじまいで終わってしまった。

ルトガーのように死者も蘇生したり、起動者でないフランツも蘇生したあたり至宝関連と想像してみる

 

妖精(精霊)・一角獣あたりは、1の頃から示唆されていたけど特に言及されなかった。大地の聖獣アルグレスが一角獣っぽい?

 

地精関連

本編で出てきた地精は、アルベリヒ、ゲオルグのみで、クロウやアンゼリカを再利用してるあたり人材不足感がある。黒の工房を回すにはあの人数じゃ足りない気がするけど

一応アリサの絆イベントでRFの第五開発室の正体が明かされたけど、本編でも言及して欲しかった

ジョルジュの読み方を変えるとゲオルグになるのは、衝撃だったけど、直接のつながりはなかったということっぽい?アルベリヒとワイスマンが仲良しだったことのヒント?

 

イシュメルガ

いくら強いとはいえ、他の6機が束になって勝負になるレベルって、鋼を騎神に分割する際に、魔女が力の配分をミスったとしか思えない。(笑)

人の業のせいで悪意に目覚めたという話だけど、その経緯も個人的に気になる

時期を考えると、大崩壊から暗黒竜出現の間っぽいけど。

あとなぜドライケルス(オズボーン)に執着していたのかも

獅子戦役が終わった後に、出てきたらしいけど、単に気に入ったのか

 

黒の史書

アーティファクトの一種とは言われているけど、千年後の未来を断片的とはいえ、予言するあたり明らかに破格すぎる。

最終巻も、「第03因果律記述機関AZOTH」なる名称が出てきたけど、他にもあるのか謎が深まるばかり。この辺りも後々のシリーズで語られるのかな?

後、最終巻の「ヒト」と「ヒト達」という表現も気になる。まるであの世界には人間以外にも「単一の何か」がいるかのような…。

 

その他

 

今作は各章のタイトルが、歴代で一番かっこいいと思っている。

リィン不在の中でも足掻く7組たちを表す「Ⅶ組の試練」、

歴代主人公が集結し、オリビエがそれらをつなぐ「宿命の星たち」

獅子戦役を意識しつつも閃2のopタイトルを回収した「獅子の刻〜閃光の行方〜」

プレイヤーに嫌な予感をさせる「せめてこの夜に誓って」「散りゆく花、焔の果てに」もフレーズは好み。

 

 

閃の軌跡を3作プレイして② 閃の軌跡3感想・完結作4「THE END OF SAGA」への心境、キャラ語り

 前回の閃の軌跡1、2の感想の続きです。

 3の感想が長いです

 

閃の軌跡3 各勢力が入り乱れる帝国で足掻く若者たち

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新7組の教官となったリィンと生徒たち

 

 僕は零碧閃12を閃3が出る一年前に一気にやったんですけど、閃2の幕切れからの一年間はかなり悶えていました。

 事前情報の一つ一つにワクワクしながらも、相変わらず苦労を背負わされそうなリィンや登場人物の多さに不安になっていました。

 が、いざやってみると、それらを吹き飛ばすくらいに、今までのシリーズとしての積み重ねを活かしきっていて、過去最大のボリュームであることもあって、個人的にはシリーズの中でも屈指の出来だと思いました。

 まあ、それだけにエンディングが嘆きのリフレイン(ED)が流れてきた時は、さすがに唖然としましたが。

 

 そんな感じで楽しんだ閃3を、12のps4版が出たのを機に、二週目をプレイした上での感想です。

 

 

 

大人になったリィンから描かれる新章

 

 前作のラストで仲間と別れたリィンが、学生と英雄「灰色の騎士」の二重生活を一年送った後、新たに設立されたトールズ士官学院・第二分校・新7組の担任教官として赴任するところからスタートする。

 一年間英雄として世間の身にさらされつつ経験を積んだことで、前作よりも外見も内面も一回り大きくなったところが節々に現れているのが良かった。特に、学生時代を2作品かけてやっているだけあって、教官として生徒へかける言葉のいちいちに重みがあった。

 

 で、各章は分校の学園パート→各地での演習→敵性勢力が登場→政府から要請が飛んでくる→旧7組の仲間と戦う という感じで進んでいくのだけど、「英雄」と「教官」の二つの立場の間で葛藤する様が個人的にツボだった。生徒と行動するパートと昔の仲間と行動するパートが二つあって、一つの章で二つぶ美味しい気持ちにもなった。

 しかも、政府からのオーダーが飛んできたら、生徒たちと別れてハイさよなら、ではなく、生徒たちも置いて行かれた自分たちの無力さを悔やみ、励まし合い、後を追いかけていくというドラマまで作られているのが良かった。

 

 7組の生徒たちもそれぞれにリィン教官に対して異なる感情を持っていて、最初はその資質に懐疑的ながらも、共に活動するうちに絆が芽生えていく様子が個別に描かれていて良かったし(一部生徒は課題が残ったままだが)、リィンも振り切っても追いかけてくる生徒たちをだんだん信頼していくのも、章を重ねるごとに描かれていた。

 生徒たちがリィンのシスコンぶりにドン引きしたり、女関係をいじってきたりするのも、ネタ的な意味で楽しめた。

 さらに、人数が多くて、リィン中心・からむのも固定メンツになりがちだった旧7組と比べても、新7組は生徒同士の絡みが全編豊富で見ているだけで楽しかった。

 

 

 

さらに描写の増えた分校生徒・教員陣

 

 リィンの赴任するトールズ第二分校は、出来たばかりの新設校、諸々の思惑が絡み合って捨て石となることが前提であることも相まって、生徒が20人、教員が校長含めてわずか5人と少数精鋭となっている。

 しかも、これだけの人数で帝国各地で、演習という名目で結社「身喰らう蛇」と戦わされるのだから、状況としては序盤からかなり崖っぷち。初回の演習の初日の夜から拠点を襲撃されたりしちゃう。

 しかし、初日に襲撃されたことが分校全体で危機感を共有するいい機会になっていて、演習パートだけでなく、以後のリィンのオーダーパートでも全面支援してくれるし、最終決戦でもほぼ全員が一緒に戦ってくれるのが熱かった。あそこのトワの「これより、第二分校、協力者たちの力も借りて、黒き聖杯の攻略を開始します」っていう号令好き。

 

 何よりも、生徒全員のキャラ付けが出身や得物や部活や部屋割り、趣味に至るまで詳細に設定されており、それらが日常・演習中の両方で詳細に描かれていて、各生徒同士も互いにあちこちで接点を持っているのが、本当に見ていて楽しかった。

 クロウの弟分のスタークやオリビエと同郷のサンディ、アンゼリカのなじみだったゼシカ、ハーメルの間接的な関係者だったマヤなどメインに絡みうるほどのポテンシャルを持った子もちらほら。さらに、留学生が多いので、帝国編が終わっても再登場させやすいという隙のなさ。

 教官たちも、リィンやトワのレギュラー、過去作からゲスト出演のランディだけでも濃いのに、事実上の新キャラのオーレリア、ミハイルは本人のキャラも良かったし、従来のキャラと深い関係にあったりと軌跡シリーズの醍醐味を感じさせてくれた。

 

 4では、分校自体が存亡の危機にあるみたいだが、2の時のように各地に散らばった生徒を回収して、拠点強化の流れがあったら熱い。できれば、平和な学園生活まで戻れたらいいな。

 

 

 

広がる7組の輪

 

 旧7組のキャラがエレボニア帝国を描くためのキャラだったのに対し、新7組は帝国編という物語自体を前に進め、終わらせるために用意されたキャラという印象だった。

 

前作の舞台であり対共和国の最前線となったクロスベルっ子のユウナ

皇太子のセドリックと因縁のあるクルト

黒の工房出身であり、3のラストの鍵となったアルティナ

帝国の暗部の象徴であるハーメルの出身のアッシュ

貴族勢力を率い、オズボーンと頭脳戦を繰り広げるミュゼ

 

 オライオン姉妹を除けば、旧7組だけだと描ききれない部分を絶妙に埋めつつ、5人とも分かりやすく4での話の役割も分かりやすく用意されてそう。アッシュだけはどうなるかわからないけど。

 

 旧7組の方も、社会人になったことで、出番こそ減ったものの、ちゃんと全員にスポットが当たる形で参戦してくれたし、ノルドの風、ことガイウスやアリサに至っては、それぞれ衝撃展開もあったりして、彼らももう3作目なのに、ちゃんとキャラに飽きが来ず操作できた。全体的に敵側と因縁があるのは旧7組の方が多かった印象。

 

 新旧のキャラの絡みがオライオン姉妹以外は、そこまでなかったのが唯一残念。

 暗黒竜のダンジョンで班分け決める時も、新旧それぞれのまとまりの中での組み合わせに終始した感じ。クルトユウナとかマキアスユーシスとか

 ただ、彼らも知り合ったばかりだし、4では、双方をつなぐリィンがいないことで、新旧の垣根を超えた関係をもっと深く築いてくれると嬉しい。

 

 

 

移り変わる複雑な勢力図

 

 前作が内戦中ということで、勢力図は貴族連合と正規軍、そして7組含む第3の風と分かりやすく分けられていたのに対して、今作は碧以上に各組織の思惑が入り乱れる。

 

リィンを始めとする第二分校・旧7組・遊撃士

幻焔計画の奪還のための実験を行う結社「身喰らう蛇」(と赤い星座)

灰の騎士に要請を下す帝国政府とそれに従う鉄道憲兵

謎の勢力地精とそこに雇われた西風の旅団

巻き返しを図る貴族勢力

動きを封じられながらもクロスベル独立を目指す特務支援課

帝国との全面戦争に備え諜報活動をする共和国

 結社と別行動をするヴィータ

動きの見えない七曜協会

 

 もちろんこれらの動向を追いかけるのも楽しいが、面白いのは、これらのうち、複数に属するキャラクターが少なからず存在して、彼らの葛藤も描かれていたこと。

 例えば、ユーシスは7組の仲間と行動しながらも、他の貴族と共謀して連合軍を組織していて、それをリィンにも秘密にしていたり、

ヴィータやオーレリアの背後にいるのが実はミュゼだったり、

地精の正体が黒の工房で政府代表のオズボーンの意向のもとで動いていたりと、複数の組織をまたぐ人たちのおかげで、話にも深みが出ていました。

 ミハイルとかランディもそれぞれ憲兵隊や特務支援課と連携していました。

 最終的には、

黄昏を引き起こす地精結社政府本校 

vs

それを食い止めようとする7組・第二分校・遊撃士・七曜教会の連合

という形になって次回に持ち越されましたが、ヂュバリィやルトガーなど必ずしも敵とは限らなさそうなキャラもちらほらしてましたし、結社と地精もこのまま最後まで手を結んでいるとは限りませんし、気になるところです。

 

 

章ごとのシナリオ感想 

 序章

 チュートリアルも兼ねた要塞攻略と新7組結成

 クルトとユウナのラッキースケベは、やっぱり1のリィンとアリサが意識されてて、ニヤニヤした。いや、やっぱりこういう主役以外のキャラ達にフラグ立つの、自分みたいなカプ厨にはニヤニヤできます。

 7組の生徒たちが名乗りを上げて、7組への加入を宣言するのは、旧7組を彷彿とさせつつ、リィン自身の体験が生かされている気がして、エモかったです。

 海上要塞の方は、演出としては嫌いじゃないんですけど、零、閃1からのもう3回目だし、あーまたかー、っていう気持ちの方が強めというのが正直なところ。零とか閃1の時は、本編が追いついた時に一気にテンション上がったんですけどね

 

 第1章

 演習では、ユウナとクルトのわだかまりも溶け、順調な滑り出し、と思いきや、初日夜からシャーリーとデュバリィの襲撃。分校生徒のアクティブボイスがいい仕事をしていたのも相まって、かなりのピンチ感がありましたが、それだけに旧7組の助っ人には素直に熱くなれた。

 翌日のレクターがオーダーを届けた時も、わざわざ憲兵隊まで動かして、リィンをオーダーを受けざるを得ない状況に追い込むのには、リィンを教官という立場に置いたことに納得いったし、その後のラウラの「7組は皆政府のしがらみを受けぬ者。皆リィンを心配していて、リィンを助けるために動いている」(うろ覚え)というセリフには本気で目頭が熱くなった。

 その後の調査でも、結社の拠点がハーメルであるというのが、あのアガットの口から語られて、もうファンサービスが完璧すぎるだろう、となりました。デュバリィとシャーリーが、ちゃんとハーメル跡で黙祷していたのも良かった。

 置いて行かれた新7組の方も、クルトを中心に自分たちが力不足であることを理解した上で、出来ることをやろうとしていたのが閃1の時のリィン達を思い出して眩しかった。こういうところでも、閃1の学生ならではのノリを重ねられるのは、シリーズ通して学園モノとして貫いてきたからこそ、という部分がありました。

 クルトの「これが僕たちの”一歩先”です」とかユウナの「私達3人で決めて来ました!」あたりのセリフも印象に残ってる。

 その後は、復活したルトガーと新たな騎神の登場により、今回の話が単なる結社vs分校の構図に留まらないことも示され、以降の展開への期待を高めてくれたところで‥‥

 

 第2章

 次は零碧の舞台だったクロスベルという全開ぶり。

 

 まあ、なんといっても、2章で好きだったのは、かつての英雄・特務支援課がルーファスの策略により生殺し状態にある、という歯がゆさでした。

 なんだかんだ、事件の最後のおいしいところは、特務支援課が持って行くんだろう、と思っていたら、彼らは最後まで帝国の物量作戦に完封されている。だからこそ、リィンがランディに特務支援課に代わってこの地の平穏を取り戻す、と言ったところや、ユウナがクロスベル人としの意地を示す、という流れに熱さを感じられた。

 

 ユウナがクロスベル人としての誇りを踏みにじられて落ち込んでいる時に、クルトが彼らしく静かに励ますのが良かった。一章で、自身の不甲斐なさにやり場のない悔しさを感じていていたところに、ユウナの前向きさと能天気さに救われたクルトだったからこそ、あそこで「ここが君の踏ん張りどころだろう」と発破をかけられたんだと思う。

 

 最後のロイドとリィンが拳を突き合わすシーンとかは、本来クロスベル編と言ったら、期待されているのは特務支援課の3D化に決まっているのに、あえてあのように一枚絵で魅せていく寸止め的演出には、興奮しました。

 思えば、ロイドたちの独立をめぐる戦いへの期待というのは、碧のEDの頃からずっと「溜め」の状態に入っていて、その上で、これだけの積み重ねをされると、もう否が応でも帝国組との共闘展開を期待しちゃいます。

 

 第3章

 イベント盛りだくさんで長い長い第3章。

 今回の演習は7組には因縁深いカイエン公の本拠地オルディスとラクウェル。

 前半は、4つの猟兵団の調査、後半では、猟兵団に加えて結社地精領邦軍分校7組が入り乱れる、ストーリー的にも派手な章。

 7組にも、ミュゼとアッシュが加入し、他の旧7組も登場、アリアンロードも満を持しての参戦、と登場人物が一通り出揃った感もあり、クライマックス感が強い。

 ただ、このころになると、旧7組の「その必要はない」「そこまでだ」的助っ人演出には、「またか」と苦笑いするようになってくる一方、個人的には、旧7組のトリを飾るのがこのままいくとガイウスになるのでは、という推測を持ち始めて密かに歓喜してました。

 というのも、閃2の7組再加入の流れで、敵陣営の大貴族であるユーシスがトリを務めたのには、かなりの必然性がありました。でも、ガイウスの場合、そこまでして引っ張るほど、強い設定が見当たらなかったことが、逆にどれだけ成長して出てくるのか、という期待感を強めました。実際、結社最強格のアリアンロード戦での助っ人は、それまでのマンネリ感を吹き飛ばすほど、かっこよかった。sクラがないせいで色々察した部分はありましたが。

 

 1日目夜のリィン、クレア、サラ、アンゼリカの年上のお姉さん3人と歓楽街のカジノに行くイベントは、まさに大人になったリィンだからこそ出来ることって感じだけど、あまり気恥ずかしさを見せずに3人を引っ張っていくリィンを見て、別の意味でも「大人になったな…」とも思った。全体的に女性のあしらい方が上手くなったというか。この後のクレアとサラの過去話→チューの流れもあっさり流してましたし。

 

 アッシュとミュゼも実家訪問を通じてキャラを掘り下げるという、いつもの手法がとられていましたが、この二人については、3章時点では、まだ隠し事が多い段階だったんですよね。その上で、初日夜にこの二人とリィンがそれぞれ個別に向き合うイベントは、リィンの教官としてのスタンスも見えて好きです。アッシュの危うさを認めた上で、教官として7組というまさに青春劇って感じですし、ミュゼも底知れない面と可愛らしい面を見せてくれた。

 

 終盤も、初めて新7組がリィン旧7組と肩を並べて戦ってくれたり、ついにアリアンロードと鉄機隊とガチバトル、と見所は多かったですが、ラストの録画禁止区間が始まった瞬間がある意味一番ビビりました。先輩組は本当に業が深い。

 

 第4章

 それまでの対結社から離れて、共和国との戦いへシフト。

 本校と協力して共和国の諜報員を追跡するのがメイン…のはずなんだけど、途中からは蘇った暗黒竜の脅威の方が目立っていて、共和国さんェ…となってしまった。

 キャラ総出で諜報員の手がかりを集めるところとか「ラムダ駆動!」のあたりはワクワクしたんですけどね。新7組も順調にチームとして機能していてたし。

 

 同窓会自体は、もう一通り全員と会っていたけど、それでも大人になったみんなが集まっている光景はやっぱり感慨深かった。あそこといい今回ミリアムだけやたらとスポットが当たっていたのはやっぱりフラグだったんだなと二週目している時に思いました。

 新7組の子たちが、リィンを見送りに来てくれるのも可愛かった。

 

 暗黒竜戦は、クオーツの付け替えが面倒くさかったけど、ああいう総力戦は楽しかった。ダンジョンのギミックとか全員使えることも考えると、実質ここがラスダンという感じ。そう考えると、クロウも含めて新旧7組がそろったのはここだけなんですよね。ミリアムがああなったことを考えるとあれが最後かも。

 

 同窓会自体は、もう一通り全員と会っていたけど、それでも大人になったみんなが集まっている光景はやっぱり感慨深かった。

 新7組の子たちが、リィンを見送りに来てくれるのも可愛かった。

 

 祝賀会では、あちこちでいろんなキャラが絡んでいて、巡回してあちこちで話に花を咲かせているのが楽しかった。男子組が武術談義をしていたり、ラインフォルツ親子が人材をスカウトして親子らしさを見せていたり、強者との対戦を求めてあちこち伝手を求めるオーレリアだったり

 それだけに、皇帝暗殺未遂が起きて、一気にお祝いムードが消えて場の空気が緊張するのは、犯人の事情が事情なだけに心に応えるものがあった。

 

 終章

 さすがにここまでくると、「これ今回で終わらないぞ」と気付き始める終章。

 トマス副長とロゼおばあちゃんによって、帝国史の影の部分が明かされる。二つの至宝が融合したから、<巨いなる一>ってうのは、帝国の規模を考えたら納得ですし、セドリックとアルフィンが帝国の至宝と言われていたのも伏線だったんだなあと。

 2の時点で、ヴィータが「我ら焔の護り手の守護者」って言ってたり、幻焔計画が強調されていたので、帝国編では焔の至宝が中心に来ると思っていたけど、仄めかされていた地精の存在が大地の至宝に繋がったりする辺りの伏線回収には一本取られたという感じ。

 

 そんなこんなで、黒き聖杯で、結社地精政府連合と7組分校その他協力者が戦うんだけど、敵幹部の足止めのために旧7組が抜けていくのはシンプルに熱かった。2のラスダンでは、最後は大人の助っ人に助けてもらいつつ前へ進んでいった彼らが、大人になった今回は自分たちでリィンたちの進む道を切り開いていくっていうのは、シンプルに燃えるものがあった。

 特に開幕から敵方の最高戦力であるマクバーンとアリアンロードを開幕からぶつけてきて、こちらもリィンを除いた7組の最高戦力であるラウラエマ、そして超強化されたガイウスが名乗りを上げる場面で、旧7組の面々でここまでの相手と渡り合えるようになった、と感慨深かった。

 

 最下層の黒幕のおじさんたちによる黄昏計画の種明かしについては、かっこよかったです。アルベリヒの「時に!時に!」連呼はちょっとツボに入っちゃいましたけど。

 そのあとの事実上のラスボスの黒の聖獣戦も、絶望的な中、オライオン姉妹がそれぞれ意地を見せてくれた時は、二人の成長ぶりにちょっと泣きかけました。12の学園生活を通じて成長したミリアムと3を通じて感情を獲得したアルティなは、3の物語の中で何度も描かれていたからこそ、二人がそれぞれ自己犠牲を選ぼうとする姿は、心情的には辛い部分がありながらも感動的でした。

 ただ、そのあとのリィンの暴走は、彼の性格を踏まえれば、「確かにこうなるのもしょうがないよなぁ」と思う反面、猟兵王じゃないけど「やっちまったか…」という気持ちになった。この辺はキャラ語りのところで書きます。

 暴走リィンを止めるところで、起動者3人が突然ダイブして、空中でロボット召喚するところは、一種の少年漫画的な盛り上がりがあって興奮しました。

 

 そして、最後は我に返ったリィンをオズボーンが首根っこ持ち上げて勝利宣言したところで、ED「おどーれー、狂ってー」が流れてきた時は、あまりのバッドエンドぶりに茫然自失してしまいました。

 あそこで、何がきついかって、主人公側が負けて、世界の終わりの引き金を引く、というだけでなく、その引き金を引かされたリィン自身が、自分のしでかしたことを他の誰よりも後悔して自分を責め続ける、と今までの積み重ねから容易に想像が出来てしまうことだった。

 思えば、リィンの物語というのは、鬼の力や、1のラストで仲間を護れなかったこと、クロウが死んで、自身は英雄に仕立て上げられて一人で戦ってきたこと、そして今回の生徒を戦いから遠ざけようとしていたことも、全部自分一人で抱え込もうとして、周囲に「一人で抱えるな、仲間を頼れ」、と激励される流れが何度もありました。そして、リィン自身も次第に7組や他の仲間に支えられながら戦うように変わってきたところで、今回のやらかしが刺さってくる。この流れが、あまりにもリィンに対してクリティカルな仕打ちだった。

 

 

 

 

 

 

閃の軌跡4−THE END OF SAGA−への心境

 

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閃の軌跡4製作発表時に出た第一弾キービジュアル

  これを書いてる8月末の時点で、公式サイトのキャラ紹介だけで50人を越していて、どエライことになっているんですけど、過去作のキャラ達も大半が登場するみたいで、本当に軌跡シリーズ前半の山場なんだな、と改めて感じます。

 

 個人的に気になる点はいくつもあるんですけど、

 

 何よりも、3の結末を受けて、リィンはどのように立ち直るのか?が一番予想できないところで、きっかけは新7組か旧7組(クロウ?)あたりだとは思うんです。ただ、もともと自戒的なリィンが黄昏の引き金を引いてしまって、絶望している(であろう)ところからどのように立ち直り、自身の行いにどう向き合い、決着をつけるのか。

 今までのエンディングを振り返っても、

 1では、裏切ったクロウの前に旧7組の面々を不本意な形で置き去りにし、

 2では、内戦とクロウ関連に決着をつけたと思ったら、オズボーンにそれらが全て無駄であったことを知らされ、

 3では、またも仲間を守れず、多くの人たちの期待を裏切って、暴走して敵の思惑に乗せられてしまう

と、それまでのストーリーで積み重ねてきたものを最も心にくる形で、踏みにじられていて、それだけにリィンの物語が幸せな結末を迎えられるのか、いや、もっと言えば、彼自身が納得出来るだけの締め方が出来るのか、一番心配なところです。

 

 

 大量の過去作キャラがどのように絡んでくるのかも、気になる、というか零碧のヨシュエスを考えると怖い部分もありますが、閃3では、アガットやティータも含めて程よい感じで話に絡んできたので、杞憂に終わりそう。

 ユウナやティータ、遊撃士たちなど過去作のキャラと関係のある人物を通じて、出しやすい人たちは全員出すぞ〜みたいな流れになってる一方、世界大戦とか不穏なワードもあり、公式のプロローグを見る感じだと、帝国正規軍・結社がヴァイスラント決起軍・共和国・リベールその他を敵に回して戦争しそう。

 シリーズを通じて、舞台を変えながら、やってきた奇跡だからこそ、そこに出てくる人たちがこの山場で二つに分かれて戦うことにすごく深みを感じる。 

 

 長い長い帝国の話もついに終わるのかと感慨深さがある一方、回収されるべき要素があまりにも膨大で、かなりの爆速伏線回収になりそう。

 

他にも色々書きたいことはキャラ語りの方に回します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペルソナ5 クリア感想 

 

 0.はじめに

※ネタバレ全開です

 

 先輩にPS4を貸す代わりに、こっちはペルソナ5のソフトを貸してもらう、という話になり、前々から「傑作JRPG」という評判に惹かれていたこともあって、ペルソナ5をプレイした。(ちなみに初ペルソナ)

 プレイ時間は実はそれほど長くなく、87時間ほどである。

これは、

・後半のパレス(主にシドウ)では、宝箱も無視して、攻略サイトを見ながら最短経路を突っ走ったこと、

・途中から難易度を下げたこと、

・恋人とろくにデートしなかったこと

などの要因含めてなので、普通にすれば、100時間は軽く超えると思う。

 先輩たちがプレイ感想をブログにアップしているので、せっかくなら自分もと思いたち、書き始めた次第である。(もともと軌跡シリーズについての記事を作っている途中だったが)

 

1.各種感想

 主にプレイしてグッときたところ

 1.1 スタイリッシュさ

 プレイしたら100人中100人が思うところ。OPから始まり、各種カットイン、総攻撃の締め、ロード画面など、UIの随所に工夫が凝らされており、それらが動き回る様は、見ていて飽きないようになっている。

 1.2 視覚・聴覚に訴えかけてくるような細やかな作り

 戦闘時には、主に、モナ、真、双葉の3人が喋り通しで、それ以外のキャラもことあるごとに反応してくれる。モナが混乱した時に、ニャゴニャゴ言い始めて猫に戻るのがツボだった。

 また、日常から探索に至るまでの細かいモーションもよく作られており、ジョーカーのカバンからモナが顔を出しているのが可愛いし、鍵付き宝箱を開けるときは、仲間がウッキウッキで肩を叩いて喜んでくれるし、猫可愛い。

 1.3 ペルソナ関連

 シリーズの看板にもなっているだけあって、ペルソナ関連のシステムはストレスを感じずに、プレイヤーの自由度を維持しつつ、段階を踏んで戦力が強化できるようになっていた。ペルソナ合体でも検索結果から調べられるのが便利だった。

 

 ちなみに、自分は六属性魔法と敵防御ダウンと敵ステータス変化打ち消しを乗せたシキオウジを序盤からラスダンまで酷使したおかげで、他のペルソナにどの属性覚えさせるか気にせずに遊べた。

 あと悪魔会話自体はそんなに楽しめなかったけど、威嚇射撃を覚えてからは全部銃弾1発で仲間にするの楽しかった。

 1.4認知世界関連の設定

 まず、パレスが主の歪んだ認知に基づいて出来ている、という設定がよく出来ていて、新しいパレスに入った時に、悪人の本性がどういう風に現れているだろう、というワクワク感があった。特に班目のように、一見悪人じゃないけど、パレスがある場合だと、その歪んだ認知を始めて目の当たりにした怪盗団の驚きに共感できた。

 また、主人公たちの怪盗行為が敵の認知を利用して、欲望を盗み出し、改心させるというのも、斬新だった。

 そして、終盤メメントス最深部に潜ると、大衆は思考を放棄して自ら望んで監禁されており、これまで攻略してきたパレスはそこに同調しない悪人たちの隔離施設だったという衝撃の事実が明かされる。

 このように、認知世界関連の設定は、序盤から終盤に至るまで巧妙に張り巡らされているのだが、個人的には、ラストの役目を終えたモルガナが、怪盗団の「モルガナの居場所はここ」という認知によって復活した(というより消えなかった?)、というのが最高に熱かった。

 

 1.5 キャラ談義

 結局、コープは真だけ途中で放置して、それ以外は埋めました。

 八股かけたけどろくにデートしなかった。

漢は黙って筋トレ

 

 以下、加入順に一言

 

 ジョーカー

 こういう喋らない系の主人公感情移入も自己投影もできなくて苦手なんだけど、明智をはめるトリックでふんぞりかえっている所で好きになった。

 あと、「世界を頂戴する」がかっこよかった。

 屋根裏のゴミという、蔑称は前から知っていたけど、思ったよりシリアスな場面で出てきて笑った。

 

 坂本竜司

 コープでは彼なりに色々考えながら動いているのがわかったけど、本編では最後まで頭スカスカルだったね

 

 モナ

 結局夢のあれはなんだったんだろう。猫可愛い

 

 高巻杏

 「ゲット・レディー!」っていうのが好きだった

 

 喜多川祐介

 加入前後のイベントが好き。勧善懲悪の物語で、育ててもらったという負い目から、吹っ切れずにいたのが、班目パレスの殿様を見て、ブチ切れて覚醒するのが熱かった。

 コープイベントでは、班目のことを引きずっていて、芸術家としてどうあるべきかについて悩んでいる様子が描かれていて、よかった。班目も彼に対する情も少しはあったという点も含めて

 

 新島真

 参謀役の世紀末覇者先輩。とことこ尾行してくるのが可愛い。戦闘面では万能で出ずっぱりだった

 

 佐倉双葉

 加入経緯が一番熱かった。惣次郎とセットでコープイベントでは一番好き。二人ともなかなか思いを伝えられない不器用なところが、親子としてよく描かれていた。

 戦闘中のサポートは役に立つようであまり役に立たなかった。ポジションハックは最高でした。

 

 奥村春

  ちょっと毒っ気のあるゆるふわ天然キャラ。

 正直見た目も性格も結構ツボだったんだけど、あまり見せ場なかったね。

 多分加入自体の遅さよりも、かなりぽっと出なのと、真以降のメンバーが物語の中核に関わるかつ、怪盗団内でも明確な役割がある中、特に何もなかったのが残念。

 あと、お尻エロい

 

 明智吾郎

 主人公との対比、という点である意味一番おいしい役どころだった印象。なんだかんだ結構すき。

 いい死に方したけど、仲間になってくれても全然よかった 。黒仮面モードもかっこよかった

 彼がずっと一人で戦ってきたのに対して、ジョーカーがたくさんの絆に恵まれているというのは、コープシステムも相まって、すごく説得力があったし、それだけに明智の叫びは悲痛だった。「屋根裏のゴミが!」には笑ったけど

 彼を罠に嵌めるという大仕掛けは、すごく作り込んでいて、双葉の解説を聞いて、おお!となった

 

 その他コープキャラ

 

 佐倉惣次郎

 いいおっさんだった。予告状バレからの緊急会議は、普通にハラハラしたし、逆に味方してくれた時は普通に嬉しかった。双葉についても、彼なりにすごく想っているのがよくわかったし、最初と最後で一番印象が変わった人

 

 御船千早

 見た目がかなりストライクだった。唯一うちのジョーカーとデートした人

 

 吉田寅次郎

 本編にはほぼ関連してないけど、コープイベントの中では、一、二を争うぐらい好き。ある意味、彼も社会にレッテルを貼られてなお、それに抗おうとしている、という意味では怪盗団の先輩かもしれない 

 

 双子の看守

 閉じた空間という縛りがあったおかげか、余計な要素がなく、シンプルに主人公への信頼が増していくのが描かれていて、よかった

 

 新島冴

 どうなの!の人。

 いちいち回想っていうことを突きつけてくるのは、かなり辟易した。

 一方、コープシステムが重要なこのゲームにおいて、彼女ともコープを結び、話の進行に伴って、冴も主人公の話に耳を傾けるようになり、コープが進行していく、というのは熱かったし、彼女への予告状を見せてきた時は、プロローグへのつながりが見えてきて、おお!となった

 

 1.6. うーんとなった所

 あんまり長々と書くのもなんなので、手短に

 

 ・フルストレスエンカウントシステム

 

 ・パレスギミック解除がだんだん面倒になる(シドウパレスは心を無にして攻略サイトをなぞった)

 

 ・メメントスのエンカウント方式がパレスに輪をかけて酷かった

 

 ・あんまり怪盗団が何をしたいかわからなかった。もともと個人の反抗から始まっ

  て、それに自覚的にもかかわらず、正義を称するのはう〜んとなった

 

 ・行事イベントがことごとく尻すぼみ。せめて、打ち上げと修学旅行は明るいムード

  で締めて欲しかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閃の軌跡を3作プレイして①  1改「Thors Military Academy 1204」 2改「Erebonian Civil War」 感想

 

 

はじめに

 閃の軌跡1、2がps4にリマスターされたことをきっかけに、ここ数ヶ月で1から3までを続けてプレイした。(今年の9月に出る完結編の4に向けての復習も兼ねて)

 それぞれすでに1週クリア済みで、1、2が一周あたり50時間弱、3が100時間強かかっているので、今まで合わせて400時間ほど費やしていることになる。(改めて数字にすると自分でも驚く)

 普段、自分の周囲にはこのシリーズについて語れる人間がおらず、一人妄想に明け暮れており、それで満足していた。

 しかし、去年の秋に3を初めてクリアした時に自身のゲーム歴の中でも屈指の衝撃を受けたこと、もうじき軌跡シリーズそのものが一区切りを迎えることもあって、ここで自分の中に渦巻くものを整理すべくこうして記事にすることにした。

 長くなったので、3とキャラ語りは別の記事に分けます。

 

 かなり自己満足成分高め。

 

 以下、ネタバレは全開です。

 

 

 

 

 

「閃」以前の軌跡シリーズ

 軌跡シリーズは、日本ファルコムが出している、RPGのシリーズ名称であり、ゼムリア大陸という架空の大陸を舞台にしている。

 

以下、各作品概要 

 

空の軌跡FC」、「空の軌跡SC」、「空の軌跡3rd」  リベール王国編

 リベール王国を舞台に、新米遊撃士(請負人のようなもの)の少女・エステルとその義弟ヨシュアが、一人前になるべく旅をしながら、王国にうごめく陰謀を暴いていく

 

零の軌跡」「碧の軌跡」  クロスベル自治州編

 空の軌跡から一年後の話。

 二つの宗主国を持ち、政治的基盤が脆弱なクロスベル自治州を舞台に、警察の新設部署に集められた若者たちが大都市の闇に立ち向かっていく

 

閃の軌跡1、2、3、4」  エレボニア帝国編

 1、2がクロスベル編と同時系列。

 大陸最大の軍事国家・エレボニア帝国の士官学院に新たに設立された、「7組」に集められたワケありの学生が互いを通じて、帝国の未来を模索していく

 

 シリーズの特徴として、初代から最新の8作目までが、キャラクターや設定の面において、密接にリンクしている。*1

 

 閃の軌跡の直前の「碧の軌跡」では、宗主国である帝国からの圧力に悩まされるクロスベル自治州に生きる人々が描かれていた。そのエンディングは、クロスベル自治州の行く末を示すと同時に、帝国編の激動の物語を予感させるものとなっていた。

 

 

 

 「閃の軌跡」 学生という切り口から描かれる帝国編

 

 以下は、閃の軌跡の公式サイトにあるプロローグの一部抜粋である。

──《エレボニア帝国》。

ゼムリア大陸西部において最大規模を誇るこの旧き大国では
近年、2つの勢力が台頭し、国内における緊張が高まりつつあった。

一つは《貴族派》──
大貴族を中心とし、自分たちの既得権益を守らんとする伝統的な保守勢力。

もう一つは《革新派》──
平民出身の「鉄血宰相」を中心とし、軍拡を推し進め、大貴族の既得権益を奪わんとする新興勢力。

両者の立場はどこまでも相容れず、その対立は水面下で深刻化し、
帝国各地で暗闘が繰り広げられるようになっていた──。

──《トールズ士官学院》においても、
貴族派の理事と革新派の理事が対立を深め、生徒たちに影響を与えていた。

あらゆる面で優遇され、また実力も兼ね備えた白い制服の貴族生徒たち。
優秀ながらも下に見られ、理不尽感を抱き続ける緑の制服の平民生徒たち。

そんな中、リィン・シュバルツァーは

トールズ士官学院への入学を果たし、気付く。

自分の着た制服が、貴族生徒や平民生徒の制服の色と違うことを。
少数ではあるが、同じ「深紅の制服」を着た生徒たちがいることを。


それが──波乱に満ちたリィンたち《VII組》の学院生活の幕開けだった。

 

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7組の生徒達 

  

 閃以前の軌跡シリーズにおいては、エレボニア帝国は、強大な軍事力を背景に周辺国・地域に緊張を強い、時に戦争を仕掛ける、典型的な「侵略国家」として描かれていた。

 しかし、帝国編ともいうべき、閃の軌跡の主要キャラは、士官学校に通う10代の学生であり、「学園物」として話が進む。

 一見、これらはチグハグな取り合わせに思えるが、プレイするに従い、帝国編を学生という観点から展開することの意義が見えてくる。

 

 主人公たちの所属する「7組」は、身分によってクラスの分かれる士官学院の中で、唯一、身分の垣根を越えて生徒が集められたクラスである。そして、集められた生徒9人(のちに二人増えて11人)の出自・身分は、そのまま帝国の縮図になっているのである。

 

 それは、単に、平民と貴族という分かりやすい図に留まらず、元傭兵や重工業メーカーの令嬢、遊牧民からの留学生など、多岐にわたっており、彼らの出自や人となりを掘り下げる中で、自然とエレボニア帝国という巨大な国の抱える問題や情勢が紐解かれていく。

 

 彼らは、学院生活や、帝国各地への実地演習、昏い復讐に燃えるテロリストとの戦いの中で、その異なる立場・思想ゆえに度々衝突しながら、互いに理解を深め、協力し、自分たちの明日を切り開くための道を模索する。

 その過程は、7組が帝国の縮図である以上、帝国という国の行く末と見事に重なっている。(この辺は3で彼らが社会人になって、それぞれの仕事に就いた時にも、改めて強く感じられた)

 そして、後半へ進みにつれ、7組は、大きな試練を乗り越えていき、分かちがたい絆を結んでいく。

 

 一方、士官学生が中心であることの意義も物語に組み込まれており、7組が実習で、最前線の要塞を訪れた際に、あまりにも巨大で、個人の役割がシステム化された「軍」という「力」を目の当たりにして、個人としての無力さを感じる場面は印象的だった。

 後述するようにこの「力」というテーマは閃の軌跡全体を通じて描かれるテーマとなっていく。

  

 終盤では、貴族連合と帝国の正規軍の内戦が始まり、戦火は士官学校にまで及ぶ。

 そして、主人公は、仲間を守るべく単身敵に挑むも、惨敗し、クラスメイト達が絶望的な足止めを引き受ける中、戦場から強制離脱させられたところで、EDを迎える。

 

 皮肉なのは、日常が失われてことで初めて、帝国への復讐者すらも含んでいた7組が、真の意味で帝国の縮図であったことが分かる点である。

 (逆説的だが)だからこそ、そのような人物までもを抱えた7組が、同じ空間で学び、一丸となって、一つのことを成し遂げた、というのがどれほど奇跡的であったか、と強く実感できるのである。

 そして、物語は帝国の内戦を描いた閃の軌跡2へと続いていく。

 

 

閃の軌跡2」 動き出すリィンの物語 

 

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 左: リィンのライバル兼悪友のクロウ  右: 主人公のリィン・シュヴァルツァー 

 

  1の直後から始まる「閃の軌跡2」は、主人公のリィン・シュヴァルツァーとその因縁のライバル・クロウを中心に進んでいく。

 今作のリィンは、学園の地下に眠っていた騎神(ロボット)・ヴァリマールのパイロットとして、帝国正規軍と貴族連合軍の内戦に巻き込まれていく。

  

 前半は故郷で再起した主人公が 、内戦真っ只中の帝国を巡りながら、7組の仲間と合流していく様子、後半では「第三の風」として内戦に介入しつつ、結社「身喰らう蛇」と戦いを繰り広げる様が描かれていた。

 

 

・動き出す主人公リィン・シュヴァルツァー の物語

 1では、主人公のリィンは、身分は貴族でありながら、実の親が不明である、という独特の生い立ちから、7組のクラスメイトの相談役・喧嘩の仲裁役としての役割が多く、彼自身が、自身の問題と向き合い、解決する、という部分はあまりなかった。

 しかし、今作では、騎神というロボットの乗り手として、7組の中心として、シュヴァルツァー家の長男として、あらゆる面でリィン自身に焦点を当てられている。

 

 同じ騎神のパイロットとしてライバルのクロウとの因縁に始まり、自身を養子にしてくれたシュヴァルツァー男爵家への感謝と負い目や、前作へのラストで仲間を護れなかった自分の不甲斐なさを嘆く部分であったりと、全編を通じて描かれている。

 

 中でも、話の折り返し地点となる幕間では、敵本拠地に捕らえられたリィンが脱出する様が描かれていて、胸が熱くなるイベントが目白押しだった。

 まず、敵幹部と一対一で個別に面談して、貴族連合に協力する彼らの背景を掘り下げ、前作から引っ張ったクロウの過去も回収される。

 その後、覚醒した主人公が敵幹部相手を突破しつつも、クロウとの一騎打ち。ピンチになったところで7組や協力者たちの助っ人がやってくる。

 

 中でも、リィンの覚醒のきっかけが、義妹のエリゼの想いを知ることで、いかに自分が人に支えられて生きていたかに気づく、ということなのもポイント。

 それまで、その特殊な生い立ちから進路に悩まされ、自身の持つ力に振り回され続けたリィンが、ようやく自らの迷いを晴らして戦う様は本当に爽快だった。

(まあ、その結果が2や3のエンディングだと考えると、複雑な気持ちになりますけど)

 

・個性的な学院生たちをフルに生かしたゲームとしての作り込み

 1の頃から7組以外の学生たちについても、丁寧にキャラ付けした上で、各クエストや日常会話で、それぞれの悩みや部活・恋愛に至るまで丁寧に描かれていており、2では帝国各地に散らばったそれらの士官学院生と合流していく。

 

 この際の、生徒に対応するクエストを達成→生徒が合流→拠点となっている飛行船の各種機能が解放、という流れは各生徒の個性が反映されており、彼らを単なるサブキャラに留まらず、同じ内戦を戦い抜く同胞と印象付けるものとしている。(多分この辺の仕組みは4でもやりそう)

 

・ある意味強烈な余韻を残すエンディング

 終章では、内戦の決着が描かれており、リィンも宿敵・クロウと決着をつける。

 そして、二人は決闘の末、和解するも、リィンの血路を開くためにクロウは自ら犠牲となってしまう。

 家族の仇への復讐も果たし終えたその死に様は安らかだったが、全ての戦いが終わった後、クロウに暗殺されたはずの宰相の子飼い「鉄血の子供達」の筆頭が正体を現し、復活したオズボーン宰相とともに内戦をコントロールしていたことを明かす。

 そして、オズボーン宰相は内戦の裏で進められていた、「幻熖計画」の強奪、そして、クロウが無駄死にしたことに対する怒りをあらわにするリィンに対し、自らが父であることを宣告したところでEDが流れる。

 それら一つ一つの事実が衝撃的でありながら、それらが間髪入れずに次々と明かされ、その結果として、クロウが無為な復讐に満足して無駄死にしたこと、リィンたちのこれまでの戦いの意味が全て黒幕の功績として「総取り」されたことなどが、EDが流れる中、じわじわと余韻として込み上げてくる感覚は、他では味わえない感覚だった。

 

 EDの後にも、外伝と後日譚があり、外伝では、前作の主人公を操作して、帝国政府の手先となったリィンと戦い、後日譚では、リィンと7組の仲間が士官学院を「卒業」して別れる様が描かれている。

 後日談においては、主人公たち7組だけでなく、共に内戦を戦った同級生や先輩たちも、それぞれの進路へと歩き出す様子が描かれており、作中でも1の始まりから、ちょうど季節が一巡したこともあって、「卒業」の雰囲気がよく描かれている。

 そして、その爽やかさと物悲しさを以って、本編の後味の悪さを絶妙に上塗りしてくれるものとなっていた。

 

 

 
  

 

*1:各地域の1作品目から新規で始められるような設計にはなっている